更新日:2023/6/12
ストロボをカメラから離す「オフカメラ・ストロボ・ライティング」。前回の記事ではアンブレラを使いましたが、今回は直射光を上手に使うポートレート・ライティングの方法をご紹介します。
アンブレラなど光を面で拡散(ディフューズ)させるアクセサリー(モディファイヤー)は柔らかな表現が楽しめますが、直射はコントラストの高いくっきりとした表現が魅力です。色鮮やかさや、明るく快活な雰囲気を表現したい時、はっきりとした陰影を作りたい時におすすめです。直射を上手く使えるようになると、表現の幅がうんと膨らみますので、ぜひ挑戦してみてください。
直射での撮影も、まずは前回記事と同様の『基本的なライティング方法』を行います。最初は「基本ポジション」にストロボを設置、次に人物の特徴に合わせて「微調整」をし、同心円状に移動する「バリエーション」へと移ります。
※『基本的なライティング方法』の詳細は、前回記事をご参照お願いします。
基本ポジション
「斜め45°」…被写体から撮影者に向かって、右または左斜め約45°の位置という意味です。
「目線より高く」…被写体からストロボを見て目線より高い位置にストロボの高さを設定します。
基本ポジションは適度な陰影で立体感のあるライティングです。直射光は光源の面積が小さい“点光源”のため、光が回りこまずくっきりとした影ができます。
同じ位置からのライティングで比較すると、直射は影やハイライトが硬い表現、アンブレラは柔らかい表現になっているのがわかります。
バリエーション
次にバリエーションとして同心円状にストロボを移動してみます。
【同心円移動:約23°(正面寄り)】
基本ポジションよりも少し正面寄りの位置です。
基本ポジションより陰影が少ないため、明るい印象になります。
人物の影は浅い角度で斜め後ろに向かって伸びるため、画角の中に入りやすくなります。影絵のようにくっきりとした影が落ちるので、影を活かした構図やポーズにしても面白いです。ライト位置が高めなので影は下方向に、背が低く落ちています。背景との距離にもよりますが、影の背を高くしたい場合低めの位置から光を当てるといいでしょう。
はっきりとした影が落ち、太陽光の下で撮影した写真にも似ています。
次は基本ポジションよりもサイド寄り、約68°の位置にストロボを移動してみます。
【同心円移動:約68°(サイド寄り)】
基本ポジションよりも少し横方向からの光になります。
基本ポジションよりも陰影が多くなり、さらに格好いい印象になりました。影が硬いためコントラストが高くはっきりとした印象です。
人物の影は斜め横に伸びるため、背景には影が映りづらくなります。
影がハッキリできるため、肌の質感は荒く出やすい光です。
次は、90°(真横)にストロボを移動してみます。
【同心円移動:90°(真横)】
かなり影が多くなり、ドラマチックな印象になりました。人物の影は横方向に細く伸びてシャープな雰囲気です。
モデルがストロボの方を向くと顔に光が回ります。