● 正面観・撮影時の立ち位置
5枚法のうちの「 咬合面観( 下顎 )」を撮影するときは、患者さんの頭の位置を 12 時としたときの「 7時 」の位置に立ちます( 写真7 )
● 使うミラー
咬合面観( 下顎 )の撮影では、咬合面観用のミラーを使います。口腔内挿入時にミラーが曇らないように、あらかじめミラーを暖めておきましょう。(写真8)
● 口角鈎の位置とミラーの挿入
患者さんに咬合面観の撮影がしやすいように、口角鈎の位置を下唇方向にずらしてもらいます。(写真9)
ミラー挿入時は、撮影しやすくするために患者さんに術者側に少しだけ首を曲げてもらいます。(写真10)
大開口の状態では咬合面観用のミラーは入りにくいので、一横指程度の開口にしてもらい、ミラーを左右片側ずつ交互に挿入します。このとき、患者さんに舌を口蓋に接触させてもらい、ミラーを挿入してから舌を押えると、下顎歯列の舌側面が観察しやすくなります。この状態で撮影に入ると、撮影者は腰をかがめることになるので、患者さんに頭を後屈(のけぞらせる)してもらいましょう。きちんと撮影するためには、撮影者はなるべく普通に立ったままで撮影できるようにします。(写真11)
● 咬合面観( 下顎 )の撮影
咬合面観( 下顎 )の撮影では、患者さんに首を少しだけ撮影者方向に傾けてもらうので、撮影者もミラーとカメラが平行になるように傾けて撮影する必要があります。
実際の撮影では、ファインダー内のセンターのフォーカスポイントを下顎の6番に合せ、ここで体を前後させておおよそピントの合う位置を探します。そしてシャッターボタンを半押しにして下顎の6番にピントを合わせたら、フレーミングしなおして下顎全体が構図に収まる位置でシャッターボタンを押しきって撮影します。( 前編の撮影倍率を固定した撮影方法を参照 )
ミラーを外すときは、口を少し閉じてもらうと口角のテンションが緩み、ミラーが抜けやすくなります。大開口状態でミラーを抜いて、患者さんの口角を傷つけないように注意します。