ニッシンデジタル - ストロボ・フラッシュ

リングフラッシュMF18で撮る口腔内規格写真(5枚法)撮影術 < 前編 >

  
■ カメラとフラッシュの設定

撮影に必要な機材が揃ったら、カメラ本体、レンズ、フラッシュの各種設定をしましょう。

● カメラの設定

▼写真6 カメラの設定

カメラ本体のモードダイヤル(写真6)で、手動モードである 「 M 」 を選びます。このモードにすると、シャッタースピード(*3)と絞り値(*4)を手動設定できるようになります。そして、シャッタースピードを 「 1/200 」 秒に、絞り値を 「 F22 」 に設定します
シャッタースピードは 1/200 秒もあれば、口腔内撮影において被写体ブレや手ブレを起こすことはまずありません。
また、絞り値を F22 以上にしておけば、ピントの合いやすくなる範囲が前後に広くなります。カメラ本体の設定の最後は、ISO 感度(*5)を「100」に設定しておきます。

【D3200での設定方法】
カメラ本体のモードダイヤル[1]をマニュアルモード「M 」に、シャッタースピードと絞り値[2]を「1/200 」と「F22」に、ISO 感度[3]を「100」に設定する。

● フォーカスモードの設定

▼写真7 レンズのフォーカスモード

口腔内の規格写真では、画像の倍率を明確にするため、撮影倍率を任意に固定する必要があります。よって、本来はフォーカス(ピント)合わせは手動(M)にする方が正しい倍率で撮影できますが、より簡便さを求めるときは、自動(M/A)でも構いません。( 理由は後述します)
今回は、より簡単に撮影するために、「 M/A 」 で撮影します。

今回使うレンズは、鏡筒部分に自動/手動切り替えのスイッチ(写真7)が付いているので、ここで簡単に切り替えて使うことができます。(この機能を使うにはカメラ本体のフォーカスモードをオートにしておく必要があります)

フォーカス(ピント)は、撮影倍率を固定にするときは「M 」を、自動(オートフォーカス)にするときは 「M/A」を選択する。ここでは主に「M/A」を使う。

● リングフラッシュの設定

▼写真8 リングフラッシュの設定

リングフラッシュ MF18 の設定は、「A 」(Auto)モードを選択しておく必要があります。(写真8)

「A」モードを使うと、シャッタースピードや絞り値に合せて、最適だと思われる明るさの発光量が自動的に決められます。写真4で紹介した補助灯(モデリングライト)の設定も、写真8の画面で操作します。

*3 シャッタースピード
シャッターとは、カメラの内部にあり、「 感光部に光を当てる時間を調節する装置 」 のことで、普段は閉じていますが、シャッターボタンを押すことで、あらかじめ設定された時間だけシャッターが開き、時間が経過すると閉じます。この時間を指してシャッタースピードと呼び、「 1/30 」 や 「 1/125 」 のように表記します。カメラ本体では 「 1/ 」 を省略して表示します。シャッター速度とも言います。
*4 絞り値 ( F 値 )
「 絞り 」 は一般的にレンズ内部にあり、何枚かの板を組み合わせて円形に開閉するようになっています。「 絞り 」 を英語で 「 Aperture 」 と言いますが、これを 「 口径 」 と訳すように、口径のサイズを変更して、フィルムや CCD、CMOS などの感光部に当たる光の量を調節します。  「 絞り 」 は 「 F 値 」 という数値で表わされ、数値が小さいほど絞りの口径は大きくなり、数値が大きくなるほど口径が小さくなります。絞りの口径が大きいほど、多くの光が感光部に当たりますが、ピントの合う範囲が前後にせまくなります。逆に口径が小さくなれば、光の量は少なくなりますが、ピントの合いやすい範囲が前後に大きくなります。
*5 ISO 感度
本来は写真フィルムの規格で、フィルムの光に対する感度を表す数値ですが、デジタルカメラにおいては CCD や CMOS などの受光素子の感度を表します。数値が大きくなるほど感度が増し、暗い場所でも早いシャッタースピードで撮影できます。