AirRは、Air10s・Air1と同じく弊社独自の電波式通信(Nissin Air System)を使用した、ワイヤレスTTLアダプターです。
お手持ちのストロボを、NASシステムに組み込んで活用することを目的としておりますので、他社製ワイヤレスアダプターとは異なり仕様上いくつかの制限がございます。
事前に以下の点を必ずご確認ください。
ストロボのモードは「TTL」に設定します
AirRに装着するストロボは、必ず「TTLモード」設定してください。ニッシンストロボの場合は「A(フルオート)」ではなく「TTL」にします。また調光補正は±0にしておきます。
TTLモード以外に設定していると正常に使用ができません。
装着ストロボのGNに合わせ2段階切り替えを
装着するストロボの最大ガイドナンバー(最も望遠端とした場合の数値)に合わせて、AirRの発光モードを2段階から選択切替する必要があります。これはAirコマンダーのマニュアルモードで発光させた際に、光量をより正確に制御するために必要な操作です。正しく切替されていない場合、正常な光量が出ない場合がございます。
ストロボ機種別の発光モードは対応表をご参照ください。基本的には「大光量ストロボは赤色・小光量ストロボは緑色」のモードにします。切替方法は取扱説明書、およびAirRのミニスタンド部に記載しております。
【AirRとAir10s・Air1の組み合わせについて】
(1) Air1はTTLモードで動作する組み合わせでご使用ください
AirRはコマンダーAir10s・Air1がTTL動作することを前提として動作をします。全機能を使用するためには、すべての機器が同じマウント用である必要があります。
上の写真では、ニコン製カメラに、Air10sニコン用と、AirRニコン用+i40ニコン用、AirRニコン用+ニコン純正ストロボで組み合わせた例です。
この場合は、TTL発光・マニュアル発光と、リモート光量調整・照射角調整などの他に、ハイスピードシンクロ・後幕発光など、カメラが持つ全ての機能をご利用いただけます。
(ソニー用ストロボの場合は、発光部を正面位置以外に設定するとストロボ側のHSSマークが消灯しますが、Airコマンダー経由ではHSSモードでの撮影が可能です)
ただし、この場合でも一部制限がございます。
AirRは上述の通りTTLモードを前提として動作しているため、コマンダーのテスト発光ボタンを押しての露出測定ができません。
お手数ではございますが、カメラにAirコマンダーを装着した状態でシャッターを切り、測定を行ってください。
なお、NASレシーバーを内蔵している弊社MG10・i60A・Di700Aは、テスト発光ボタンでの露出計による測定が可能です。
↑ 富士フイルム製カメラに、ニコン用Air10s・AirRニコン用+i40ニコン用・AirRニコン用+ニコン純正ストロボとした例
↑ ニコン製カメラ+Air10sニコン用に、AirRキヤノン用+i40キヤノン用・AirRキヤノン用とキヤノン純正ストロボとした例
「遠隔操作で光量調整できると便利なので、マニュアル発光モードならカメラが違っても動くのでは?」とお考えかもしれませんが、AirRはあくまでTTL動作することが前提となるため、上記2枚の写真のようにTTLが成立しない組み合わせでは一切発光しません。
(2) TTL動作しないマニュアル専用ストロボはシンクロ連動だけ可能です
マニュアル調光専用ストロボの場合は、AirRからシャッターを切った信号のみを取り出して連動発光することが可能です。この場合、カメラメーカー・コマンダー・レシーバーAirRの対応マウントや組み合わせは問いません。
上の写真は、ニコン製カメラ+Air10sニコン用で、AirRキヤノン用に装着したマニュアル専用ストロボと、AirRソニー用のシンクロ端子に接続したマニュアル専用グリップストロボの例です。スタジオ用の大型ストロボも同様の方法でシンクロさせることが可能です。
この場合、Airコマンダーは必ずマニュアル発光モードにしておきます。光量設定は反映されませんので、いずれの光量設定でも構いません。
ストロボの発光量は、当然ながらAirコマンダーからは遠隔操作できませんので、個々のストロボで予め調整する必要があります。
ただし、古いストロボ(マニュアルフォーカスのフィルム一眼レフ時代の製品)にはシンクロ端子に200V以上の高電圧がかかっているものがあり、それらをAirRに接続した場合は故障しますので、使用の際には十分ご注意ください。シンクロ電圧や使用可否に関しては弊社でお答えできませんので、お手数ではございますがお使いになる前にご自身でお調べください。
(3) メーカー純正ストロボを、シンクロだけ連動させたい場合
原理上、装着した純正ストロボはマニュアル発光モードにすれば(2)のマニュアル専用ストロボと同じとなります。
写真では、AirRに装着するストロボのみをニコン用以外(この場合はキヤノン用)にしています。
しかし、純正ストロボはマニュアル発光時でもカメラと通信し情報を得ようとするのと、他のマウント用のTTL通信接点と触れることで誤動作を起こす可能性があることから、弊社では推奨しておりません。
また、ストロボ各機種との動作可否をお問い合わせいただきましても、組み合わせが無数にあるため確認が困難であり、AirR自体がそのような使い方までを想定した製品でないため、お答え致し兼ねます。ご了承ください。
その他の注意点
●本機はAir10s等に搭載されているDグループおよびA~Dグループ(アドバンスグループ)の制御、OPENモードには対応しておりません。
●本機は通信にデジタル方式を採用しているため、カメラ機種によってはストロボの同調シャッター速度上限で撮影すると幕切れ(画像の一部が黒くなる)が起こる場合がございます。その場合はシャッター速度を落としてご利用ください。
(例として、最速1/250の機種の場合で幕切れが起こる場合は1/200にするなど)
●キヤノン製カメラはシステム上、1/30より速いシャッター速度に設定している場合は、後幕シンクロの設定を行っていても先幕シンクロ撮影となります。後幕シンクロ撮影を行いたい場合は、シャッター速度を1/30以下に落としてご利用ください。
●AirRのアンテナは本体前面側にありますので、大型のディフューザーを装着した場合などは、本体前面のNissinロゴの面をカメラへ向ける形でセットすると、より電波が届きやすくなります。
●AirRに重量のあるディフューザーを装着した状態のストロボなどを装着する場合、底面の樹脂製シューのみでは固定が難しく落下の危険もあるため、底面のネジ穴をご利用頂くことを強くお勧め致します。
●お手持ちのAirRが最新版ファームウェアになっていることをご確認ください。古いファームウェアのままですと、一部動作が正常に行われない場合がございます。最新版ファームウェアの情報に関しては、AirR製品ページよりご確認ください。